3分タイマー2つの文明1つの言語
「Q10のリセットボタン押してくれないかな。このままだと世界が大きく変わってしまうの。深井君のせいで2つの文明が滅びて1つの言語が消滅する。」
全然ストーリー覚えてないのに、ここだけずっと残ってる。2010年のドラマ『Q10(キュート)』のセリフです。未来から送られたアンドロイドQ10を主人公が手離さなければ、ある文明と言語が消滅して560万人が死ぬ。
未来とかアンドロイドとか言うと壮大だけど、朝食をご飯にするかパンにするかとか玄関を右足左足どちらから踏み出すかとか些細なことでも世界はちょっとだけ動いてるんだと思う。
そして私が2021年に押したボタンの話をしたい。
〜〜〜
2021年1月お正月休み、お笑いのオタ活に使う目的で次なる旬を探そうと「踊ってみた」で検索してました。そのとき割と序盤に出てきたのがこちら。
チャイナアドバイスって相対性理論の?(バンドのオタク) てか衣装かわいいな(服のオタク) 見てみよ〜
これが一巻の終わり。
黄色と黒のシマシマで縁取られているわけでもなく堅固なガラスケースに覆われているわけでも高性能静脈認証が必要なわけでもない、ツルッとしたスマホの画面の真ん中の再生ボタンを一回をタップしただけ。それだけで床がパカっと開いて急転直下真っ逆さまに落とされました。
か、かわいい〜〜〜〜!!
振付かわいい。この人たち踊り方が女性アイドルみたいでかわいい。振付かわいい。服かわいい。
3分の曲を何時間見てたんだろう。見過ぎて次の日にはもう踊れるようになってた。
サビのアルゴリズム体操みたいな投げキッスリレー考えた人誰すごい天才。
1:53〜2:05 らへんのカノンとフォーメーションがめちゃくちゃ綺麗。
5人みんな見せ場があって良い。
一番小さい人、ダンスも表情もプロ感がズバ抜けててとてもセンターっぽい。
背が小さくて笑顔が大きい茶髪の人、基礎がしっかりしたクリーンなダンスにリズム感と体幹がすごい。
黒髪塩顔の人、なめらかな動きにところどころ挟まれる機敏なキメがダンススキルを物語っていて目が離せない。あと私は表情コロコロ変えて顔で踊るタイプの人が好き。なんかコメント欄見た感じこの人が振付けしたらしい。
一番背が高いイケメン、朴訥・淡々とした動きだけどこんな可愛い服でこんなかわいい振付踊る集団にいるの。
2番目に背が高い金髪の人、美の暴力みたいなお顔なのにかなり動きが全力系×くねり多めのハイブリッドだ。
てかこの人たち誰?「MeseMoa.」…?
もしかして戦国鍋TVの小姓ダンサーズの子が今アイドルやってるって2020年夏に戦国炒飯TVのコメント欄で見て検索したあのグループじゃない?(戦国鍋のオタク)
ていうことはモーニング娘。踊ってみたの「むすめん。」、Perfume踊ってみたの「perfumen」の人…?(ハロプロとPerfumeのオタク)
男11人て モーニンク娘。 - 恋愛ハンター を踊ってみた.HD http://t.co/phbvCapD 話題になってたやつ( °ω°)
— わかめごはん推進派ぴこ (@picco_lo_) 2012年5月12日
あの人たちだったのかああああああああ
< 点と点が繋がって描かれた魔法陣からドラゴンが召喚され村を焼き尽くすGIF >
検索ワード「踊ってみた」だけでこの動画が上位に出てきた理由がわかった。私が今までモーニングの『What is LOVE?』や『泡沫サタデーナイト』の踊ってみたでこの人たちの動画に度々アクセスしてたからだ。起爆装置はチャイナアドバイスだったけど、その前に9年かけてちびちびロック解除してたんだ。
そんな分析が優秀なYouTubeに勧められるがままに、次は『ポジティブ☆ダンスタイム』踊ってみたを見た。笑顔いっぱい楽しそう。
次にオリジナル曲『アワアワ』を見た。ダンスがキャッチーでMVわちゃわちゃかわいい。この人たち歌も上手いんだ。
『烏合の衆』『真逆の糸』。打って変わって雄々しくてシリアスなのも格好いいな。
そして『Shadow Kiss』。てか私これ前に見たことあるな。前に見たときと今とで歌の聞こえ方も映像の見え方も全然違う。意識の向きとタイミングでこんなに変わるんか。
何事もタイミングというのは大事ですね。
ここ数年で応援してた女性アイドルがバタバタと解散引退し、バンドは活休したり脱退したり、そこにコロナ禍であっちもこっちも現場がなくなり、平年は年間15公演前後ライブ遠征に行っていた私の体はガラ空き。自分の創作活動の方面も「ご時世柄見に来てって気軽に言えないないのに描くのかー、うーん」と悩んでイベントをひとつスルーした直後でした。
そんな折に再会したむすめん。改めMeseMoa. 、彼らはずっと活動を続けていました。それは「初めて動画を見た2012年から再会した今日までずっと」であり、「相変わらずパンデミックでエンターテインメントの翼が折られてる明日もずっと」。
彼らのTwitterには4月に行われる幕張メッセライブの告知が固定されていました。
えっ、行く行く〜
(友達の家で宅飲みしてたら「コンビニ行くけどどうする?」って聞かれたときくらいのノリ)(知らんけど)
2021年1月といえば、それまで東京の新型コロナ感染者数1日800人とかだったのが年末年始に爆上がりして2000人とか行ってた時期で(数字うろ覚え)、けっこう情勢としては絶望的だったと思う。
私の住む北海道から、千葉、うーん。
だけどなんかこれは行ったほうがいいやつだと思った。
これまで深く応援してきた人たちとの結びつき方も基本こう。
「次地元にツアー来るとき行こうかな」じゃない。
「えっ、来週青森でライブあるじゃん、行く〜」「えっ、明日札幌でライブあるじゃん、行く〜」、これ。
※私はでっかいどーの端っこに住んでいるので、札幌との行き来は同じ道内でも往復12時間かかります
さすがに関東のライブで「えっ、行く〜」のノリになったことはなかったけど、でもこの脊髄反射の即断即決が誤ってたことはこれまで一度もないから、絶対この判断は私の人生に挿す栞になると確信してた。ホテルと会場とコンビニしか行かないし誰ともしゃべらないしめちゃくちゃ手洗うからお願い。
幕張公演について語る趣旨のブログじゃないのでサクッと言及して終わりますが、ライブまでのカウントダウン企画(毎日TikTok、Twitterでの絵しりとり、メンバーの配信etc)も、久々に「何かを楽しみにすることを許された」ようだった。
公演当日の昼まで毎日ニュース見ながらどうか無事開演されますようにと胃の痛む思いで祈っていたし、メンバーの配信でもけっこうその辺の苦しさというのは随所に表れていて、正直、100%楽しいだけの待ち時間ではなかった。
でも初めて肉眼で見たステージ上のめせもあ。は、光を浴びているのではなく光を放っていた。また大きなステージに立ってカラフルな光に包まれる9人を見たいと思った(し、規模は大小様々だけどその後もたくさんライブやイベントは開催された。ありがたい。)
↓幕張行く途中にあったマンホール
さて文章書くのだるくなってきたのでここから箇条書きで今年のオタ活記録(抜粋)
【3月】
・めせもあ。9人による『グッバイ宣言』の踊ってみた上がる。チャイナアドバイスと同じくぷんちゃん(気まぐれプリンス)振付け。「こんな風に音楽に乗れたら楽しいだろうな」と思って自分も翌月踊ってみた動画上げる。今見るとダンスも編集もへたっぴ!
【5月】
・幕張公演のオマケとして5月にオンライン特典会に参加、野崎さんと初めてしゃべる(前述の沼落ち経緯に全く噛んでこない野崎さんに推しが定まった話もまた今度どこかに書けたら…)。
1分しゃべっただけでこんなにスキップスキップるんるんるんな気持ちになるんだな〜アイドルってすげぇや〜〜
・この辺からめせもあ。のオタクと繋がりだした気がする。私どこの界隈でも基本オタクと仲良くしないんだけど、この界隈はなんかみんな良い人そうだった。
【6月】
・アルバム『LOST NUMBER』のリリースツアーで宮城公演参加。派手な演出とかないんだけど、シンプルにパフォーマンスよくて大好き幸せ。道すがら買った宮城県産のいちごが安くておいしかった。振りコピのために、Wi-Fiが火吹くくらい配信のアーカイブ見た。
【8月】
・LOVE BLOODツアー宮城参加、たくさんのオタク友達に現場でご挨拶できた。
【10月】
・初の対面特典会(宮城)で野崎さん・にーちゃんとしゃべる。いや、緊張で全然まともにしゃべれてない。
【12月】
・カウントダウンコンサート参加する!!人生で初めて家以外で年越しする!!今まで紅白見ながらたこ焼き焼いてうどん捏ねてたけど今年はライブ会場!!オタクとも遊ぶ!!!!飛行機無事飛びますように!私がちゃんと時間どおりに行動できますように!(重要)
〜〜〜
もし私が2021年に彼らを推さなければ、きっと2つの文明が滅びて1つの言語が消滅し、m回の現場とn回のオンラインイベントはご用意されず、4つの自家製踊ってみた動画も作られず、10枚だか20枚だかのレポ絵も生まれず、たくさんの新しいお友達と出会うこともなく、数えられないけど他にもいろいろなものが消えていた。
私の世界のために再生ボタンを押してくれてありがとう、過去のたくさんの私。
皆さま、来たる2022年も惜しみない推し事を。
ちなみにだけど冒頭触れたQ10はいまTVerで観れるみたい。ボタンが歯なので歯を触るシーンが何回か出てくる。歯……今度親知らず抜くの憂鬱だなぁ……。